乾燥中に真空度が急に上がる現象って何がおきているの?

真空凍結乾燥法で食材などを乾燥させていて、乾燥が進むと真空度が上がってきます。すなわち、PS(パスカル)やbarr(バール)で表示される真空度の数字が小さくなっていきます。このようにして乾燥は進んでいきます。

しかし時より、その数値が急に高くなったりすることがあります。この場合は、試料温度を制御する棚ヒーターの加熱が強すぎて、資料の中で一部、氷の溶解が起きている可能性があります。乾燥は乾燥対象物の外側から乾燥していきます。中心部分が最後に乾燥していきますが、ここの氷が溶けたりすると、急に沸騰のような現象が起き、真空度が低下します。このような現象が起きている時は、棚温度の上昇をあまり早くしないようにしてください。

棚温度は、乾燥開始時には一般的に氷点下にセットし、時間と共に徐々に上げていきます。最初は試料の外側も凍っていますので、ここで棚温度を急に40℃とかには上げられません。棚温度は氷点下から1〜2日の時間をかけて40〜50℃に上げていきます。勿論、ワクチンや医薬新薬剤の場合には棚温度氷点下のまま乾燥させたりします。食品は熱を加えても変性しないので、一般的には加温して乾燥させます。

食品の乾燥で、外側の部分だけでも少し乾燥したら、棚と氷部分が直接接触しなくなるので、少しずつ棚温度をあげて行っても、中の凍った部分がすぐには溶けることがなくなります。乾燥を早めるために、凍った部分が溶けないようにギリギリの温度条件を攻めるのが一般的なフリーズドライの作り方と言って良いでしょう。

徐々に棚温度を上げるべきところを急にあげると、中の氷が一部溶けて突沸の状態になり、凍結乾燥ではなく、その部分は減圧乾燥となってしまします。特に装置に負担がかかることがなければ、特に心配することはありません。しかし厳密な凍結乾燥法ではなくなります。

以上、ご参考になれば幸いです。

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